平成28年度

目標研究拠点の立ち上げ

湘南校舎に新拠点として、東海大学グローカル・モニタリング・センター(T-GLOM仮称)を立ち上げ、人員の集約、研究室の整備、衛星受信システム、データ解析システム、データベースシステムを整備し、内外の関係機関と調整を開始する。

実施計画

研究拠点の整備
湘南校舎に新拠点グローカル・モニタリング・センター(T-GLOM)の研究室を整備し、人員の集約を図る。衛星データ解析系とソーシャルメディア系でテーマ別に学際的なチームを編成し、データ解析システム、データベースシステムを整備し、研究業務を開始する。
衛星受信システムの整備
平成28年度に完成予定の19号館の屋上に衛星受信アンテナを設置し、NASAの衛星データ等の試験受信を開始する。
衛星データ受信ネットワークの構築・国際調整
国際的な衛星データ受信ネットワークの構築のための調整を開始し、年度末までに米国、欧州等とデータ交換の試験を実施する。
ソーシャルメディアからの災害関連情報収集システムの構築
Twitter等のソーシャルメディアで流通する膨大な情報から災害に関連する情報をリアルタイムに抽出し、データベース上に蓄積するシステムのプロトタイプを実装する。
国際ワークショップの開催
内外の関係機関を集めたワークショップを12月前後に開催し、本プロジェクトの活動方針を確認すると共に、内外に広くアピールする。

平成29年度

目標グローバル・モニタリング・システムおよびローカル・モニタリング・システムの構築とその運用開始

 

実施計画

衛星受信処理システムの高度化
新アンテナシステムで、非常時に、スマートフォン等で災害エリア等の位置情報を入力すると自動的に時系列の観測データからそのエリアの画像を切り出す機能を付加する。
衛星受信ネットワークの構築・国際調整
多機関・多国間で衛星データを交換・共有するネットワークの構築を図り、年度内に相手機関と個別に運用を開始する。NASAとは、北極海海氷情報の共有システムの構築を開始する。RADIとはエアロゾルデータの共有を図り、大気汚染などの共同研究を本格的に開始する。
衛星データ、ドローン画像と現地調査用情報端末の連動試験
被災地の衛星データやドローン撮影画像を現地調査用の情報端末や地域の住民のスマートフォン等で見れるような配信システムを試験的に構築する。
ソーシャルメディアの情報を用いたリアルタイムクライシスマップ生成システムの構築
平成28年度にプロトタイプを構築したソーシャルメディアからの災害関連情報収集システムを本格稼働し、取得した情報をもとに被災状況や救援ニーズ等をリアルタイムに地図上に可視化するリアルタイムクライシスマップ生成システムを構築する。システムの検証・評価は、平塚市等大学近隣自治体の防災関連部署と合同で実施する。また、大規模災害時における通信途絶の状況を想定し、インフラレス通信など、耐災害通信技術の研究・開発を平行して進める。
被災住民のソーシャルケアに関するガイドライン作成
熊本地震では、被災した学生や教職員のソーシャルケアが重要なテーマとなった。その経験、および総合大学の特徴を生かし、被災住民のソーシャルケアの在り方について、心理学、介護、医療等様々な角度から検討を進め、ガイドラインを策定する。
地域ワークショップの開催
本事業で連携する地方自治体等でワークショップを開催し、本事業の進捗状況を報告すると共に、今後の地域連携について情報交換を行う。

平成30年度

目標グローバル・モニタリング・システムおよびローカル・モニタリング・システムを連動したグローカル・モニタリング・システムの構築

 

実施計画

衛星受信処理システムの更なる高度化
衛星データ処理を多衛星に対応できるようにし、分解能や観測波長の違う異種センサデータの統合処理を実現する。
衛星データ共有ネットワークの本格運用
多機関・多国間で衛星データを交換・共有するネットワークの本格運用を開始し、3機関以上のマルチでのデータ交換・共有・共同研究を本格化する。
衛星データ、ドローン画像の現地調査用情報端末への配信体制の整備
緊急時に被災地の衛星データやドローン撮影画像を現地調査用の情報端末や地域の住民のスマートフォン等に配信できる体制を構築し、本格運用に入る。
リアルタイムクライシスマップのパーソナル化とスマートフォンへの配信システムの構築
平成29年度に構築したリアルタイムクライシスマップ生成システムを改良・発展させることにより、住民の属性や状況に応じてパーソナライズされた災害情報をスマートフォンに配信するシステムを構築する。また、平成29年度より研究・開発を進める耐災害通信技術を融合させ、大学近隣自治体在住者を対象に大規模災害発災時を想定した検証実験を実施する。
グローバル・モニタリング・システムとグローカル・モニタリングシステムの連動試験
個別に整備を進めて来たグローバル・モニタリング・システムとローカル・モニタリング・システムを統合し、被災シナリオに基づき、連動試験を実施する。
地域・国際ワークショップの開催
本事業で連携する地方自治体等でワークショップ、熊本キャンパスで国際ワークショップを開催し、グローカル・モニタリング・システムのデモンストレーションを行うと共に、今後の事業の進め方について議論する。

令和元年度

目標グローカル・モニタリング・システムの検証と評価

 

実施計画

衛星受信処理システムの検証・評価
すでに構築した海氷観測、大気汚染観測等の監視システムの有効性の検証を開始する。また、直近に発生した災害等について異種センサデータの統合処理を実施し、その結果の検証・評価を行う。問題点・課題を明らかにし、その対策に着手する。
衛星受信ネットワークの検証と拡張
多機関・多国間で衛星データを交換・共有するネットワークの運用状況を検証すると共に、3機関以上のマルチでのデータ交換・共有・共同研究を拡張する。
衛星データ、ドローン画像の現地調査用情報端末への配信体制の検証
平成30年度に整備した緊急時に被災地の衛星データやドローン撮影画像を現地調査用の情報端末や地域の住民のスマートフォン等に配信できる体制を検証し、効果的な運用を行う。
SNS利活用型減災情報システムの国際展開
平成30年度に構築したシステムの国際展開を海外協力機関と実施する。
被災住民のソーシャルケアに関するガイドラインの運用
関連する地方自治体と協力し、構築したソーシャルケアのガイドラインの運用を図る。
地域・国際ワークショップの開催
本事業で連携する地方自治体等でワークショップ、熊本キャンパスで国際ワークショップを開催し、システムのデモンストレーションを行うと共に、今後の事業の進め方について議論する。

令和2年度

目標グローカル・モニタリング・システムの改良と継続性ある運用体制の構築

 

実施計画

グローカル・モニタリング・システムの改良・安定運用
すでに構築したシステムを必要に応じて改良すると共に、今後の大学としての継続的な安定運用の体制を確立する。また、国際協力体制の拡張を進める。
報告書の作成
5年間の成果を報告書にまとめる。特に、災害対策については、一般に利用できるようなマニュアル、ガイドラインを作成し、関係機関、地元住民等に配布する。
成果報告会・国際ワークショップの開催
本事業で連携する地方自治体等で成果報告会を開催し、システムのデモンストレーションを行うと共に、今後の事業の進め方について議論する。また、海外の関係機関を招待した国際ワークショップを開催し、5年間の事業の成果を内外に広くアピールすると共に、今後の新たな展開を模索する。